ビタミンB12の話

院長コラム

「ビタミン」と聞きますと、野菜や果物をイメージされる方が多いかと思いますが、中には肉や魚介から多く摂取できるビタミンもあります。そのような代表にビタミンB12があります。必要量は少ないのですが、生命活動において多大な貢献をしているビタミンです。

ビタミンB12は、骨髄での正常な血液を作り出す「造血作用」や、脳(中枢神経)や末梢神経の機能維持、脂質やタンパク質の代謝に関与しております。

ビタミンB12が不足しますと、造血不良による貧血、脳や神経の機能低下の結果、しびれや認知機能低下が起こります。

1日の必要摂取量が2.4μgと非常に少なく、普通に食事をしていれば、まず不足することはないビタミンですが、診療をしておりますと、ビタミンB12が低下されているケースを経験します。なぜ低下するのか?
 


まず「摂取不足」ですが、「普通に食事をしていれば」低下しませんが、ベジタリアンの方々は注意が必要です。先ほど申しましたように、ビタミンB12は植物からはほとんど摂取できません。ベジタリアンの中でも、卵や乳製品も取らない徹底した菜食主義の人はビタミンB12が低下します。サプリメントでの摂取が必須となります。


普通に食事をしていても、低下するケースがあります。ビタミンB12は小腸で吸収されるのですが、その際に胃壁から分泌される内因子という物質が必要となります。胃を切除された人や慢性的に胃炎がある人は、この内因子の不足によってビタミンB12の吸収障害をおこし、結果的に低下します。胃炎であれば、胃の治療が必要ですし、胃切除の方はビタミンB12を注射する必要があります。


メトホルミン(メトグルコ、グルコラン)という糖尿病薬があります。メトホルミンは古くからある効果的な糖尿病薬でありますが、近年は内服者にビタミンB12の低下が多く報告されております。ほとんどケースでは低下しないため、機序的な部分は明確ではありませんが、学会などでは胃炎を併発されている方に多く発症されているようで、因果関係の解明が待たれております。内服の中止によって、ほぼ改善してきます。

 

よほど低下しない限りは、自覚症状が出にくいのですが、健診などでも、「疑い例」は発見されます。造血不良がおこるため、赤血球の形態に異常が出ますので、貧血が生じる前にも判明します。健診の結果で、「MCV」「MCH」が大きい方は、主治医にご相談下さい。https://higashiohdoorinaikaclinic-niigata.com/