糖尿病の人はガンになりやすい?

院長コラム

糖尿病とガンについて

外来でほぼ同時期に3人の方から、質問を受けました。

「糖尿病はガンになりやすいのですか?」と

それぞれ情報源は違いましたが、(とある週刊誌の記事、テレビの報道、月刊さかえの記事)これは非常にデリケートな問いですので、2回にわけてコラムしたいと思います。


まず、悪性疾患(ガン)について、よくある質問ですが、

 

 Q1 高齢者はガンになりやすいですか?

この問いはyesです。がん細胞は遺伝子要因を除外すれば、外的ストレス(ただ生きているだけで…)の影響で時間経過によって発生しますので、高齢者ほどガンの罹患率有病率も増加します。

 

Q2 昔よりガンは増えているのですか?

この問いに関しては、ガン全体ではyesです。これは昔よりも医療のよるガン診断が優れているためです。見つからなかったガンが見つかり延命の機会が増える一方で、切除しなくともよい腫瘍が見つかるケースもあり、一概に「良いこと」とも言えません。特に男性の前立腺がんは、公費での対応もあり、発見が増えております。個々のガンでは、罹患率が減っているもの(肝臓がん、女性の胃がんなど)もあれば、増えているもの(膵臓がん、食道がん)もあります。昔の人より今の人の方がガンになりやすいわけではないので、(その可能性もありますが、実証はされておりません。)解釈に注意は必要です。

さいごに本題ですが、

Q3 糖尿病患者はガンになりやすいですか?

この問いは臨床医としてはyesではありません。別に糖尿病協会や学会に反抗しているわけではなく、私の解釈の違いですので、次回に説明します。