食事療法がブームである。しかしながら、それは本質的なモノとは違っており、「これを食べたらよい」とか、「何が最も健康によい」とか、簡便でセンセーショナルな、内容である。残念ながら、これらは食事療法ではなく、食の雑学でしかない。
学生時代、人はある程度の偏食でも対応できる体の仕組みがあることを教わった(現在は腸内細菌や脂肪細胞などの差が個人差を作っていると言われ始めている)が、それも限りがあり、必須栄養素が欠如すれば病気につながる。確かに、魚を食べたことがないという98歳の方もいれば、毎日サプリメントと運動を実践していても、50歳代で心筋梗塞になる方もいる。流行りの統計的処理をすれば、「傾向」は見いだされ、メディアは挙って取り上げる。しかし病態のほとんどは「多因子」であって、1~2つの条件では説明できない。
では、本質的な食事療法とは何か。栄養学にはいくつかの流れがあるが、大体において(怪しい協会・学会を除いてという意味で)正しいとされていることもある。以下にまとめておくが、病気にならない方々の多くは、このような食事をされているようである。
1日3食、できるだけ定時に摂取する。
1食の打ち分けは、主食(50 ~130gと病態によって変動)、主菜(蛋白質が主体)、副菜(野菜、海藻、キノコ)+汁物など1~2品の昔ながらの和食
食材はできるだけ旬のモノ
無駄な添加物を外すためにも、できれば自炊がよい(時に外食や中食もOK)
当たり前と思うかもしれないし、否定する書物が売れていたりもする。ただ、どうも上記の4つは「間違いない」ようではある。あまり気にしないことが大事という意見もあるが、食事は生きるための手段。手を抜けば、ふりかかるリスクが高くなることは、明らかではある。